今夜はカレーにしたかったので、早くから準備に取り掛かりました。
カレーは、なぜだか、突然、食べたくなる料理の一つです。
でも、子供の頃に母が作るカレーは、それほど美味しいとは思いませんでした。
市販のルーに、豚の細切れ肉のカレーです。
ある日、母が購読していた家庭画報の中に、プロが作るカレーがありました。
ルーから丁寧に作るカレーです。
小麦粉をバターで茶色くなるまで根気よく弱火で炒めます。
決して、焦がしてはいけません。
やがてパラパラになり、もっと炒めるとサラサラになったブラウンルーが出来上がります。
玉ねぎだって、カラメル色になるまで気長に炒めます。
ケチャップでは無く、トマトを入れるのも、この記事で初めて知りました。
コトコト煮て作ったカレーの美味しかったこと。
ブラウンルーの香ばしくて深い味のするカレーです。
今、思えば、このカレー作りが、私の洋風料理の基礎になっている気がします。
子供ながらに、良く作ったものです。
この時以来、我が家のカレーはぐっとリッチに変化しました。
ところが、ある日、父が言いました。
「お前たちの作るカレーは美味しいけれど、黄色っぽいカレーが食べたい」
「ほら、食堂なんかで食べるやつだ」
その言葉は、妙に納得できるものがありました。
Aランクの味も良いけれど、時々、無性にB級の味が恋しくなる時があります。
父はそんなB級のカレーに郷愁を覚えたのかもしれません。
三日連続のベッドの中のニコちゃん。

「おやつ、ここにありますよね〜」って、私を呼びます。
